2007年10月 アーカイブ

インキュベーション施設

起業家を支援するインキュベーション施設が新しく出来るという話題です。

起業家支援ルーム:民間初、来月開所 きょう見学会 /長崎

IBIC:起業家を支援する施設、来月開設--今治 /愛媛

新しく起業した設立したばかりの会社が入居できるインキュベーション施設は、地域での起業を促進させる目的で、多くの地方でつくられています。家賃が安いこと、専門家の相談を受けることができること、起業家同士の交流が持てること等が人気の要因のようです。

大阪でも、多くのインキュベーション施設があり、活用されています。

扇町インキュベーションプラザ「Mebic扇町」 インキュベーションオフィス

島屋ビジネス・インキュベータ

ソフト産業プラザ iMedio

大阪府立特許情報センター パテントラボ

大阪産業創造館「創業準備オフィス」

エルおおさかITインキュベータ

大阪府ITビジネスインキュベータ incueit

産技研インキュベータ

彩都バイオインキュベータ

テクノフロンティア堺

千里ライフサイエンスセンター

豊中インキュベーションセンター

クリエイション・コア東大阪

東大阪市立産業技術支援センター

津田サイエンスヒルズインキュベータ

それぞれIT事業向け、バイオ事業向けといった業種を特定したものがあったり、研究開発や知的財産に特化したサービスがあったり等、施設によって特色を出しています。活用する場合は、十分に比較してみましょう。


大阪商工会議所の有望ベンチャーの支援システム

大阪商工会議所によるベンチャー支援の制度の話題です。

大商EVEシステム--有望ベンチャー徹底支援

大阪商工会議所は、有望なベンチャー企業を徹底的に支援し、成長を加速させる「大商EVEシステム」をより身近で魅力あるものとするため、応募要領・支援内容を変更する。
  同事業は、将来成長が見込まれるベンチャー企業に対し、大商のネットワークを活用した販路拡大、知名度アップなどの機会を積極的に提供するもの。これまでに選定された企業の中にはマスコミに大きく取り上げられた事例やベンチャーキャピタルから多額の投資を受けた企業が出ている。
  今回の変更では、応募期間を設けず、年間を通して随時募集し、応募数が一定に達した段階で審査会を開催する。
  選定企業への支援内容もより充実したものに改めた。例えば、ベンチャー支援ファンド「桟(かけはし)ファンド」と連携することで、特に優れた案件には500万円を上限に出資する。また、大商の有料事業にも無料で参加できる特典を追加。さらには企業コンサルタントなどが定期的に経営アドバイスを行うなど多方面の支援策を設定している。

具体的な支援内容を見てみると、以下のようになっています。

■支援対象企業

大阪・関西に拠点を有する創業後3年以内(創業前の個人も可)の企業で、主に以下の特徴を有する企業 (1) 創業時にビジネス・プランを作成している
(2) 経営者が企業の経営企画、財務、研究開発に携わっていた経歴をもつ
(3) 外部株主の導入に積極的である
(4) 従業員の教育に力を入れている など
  雇用を伸ばしている企業の共通点を有する企業



■支援内容

● 優れたビジネス案件には、最高500万円を出資!
(「桟ファンド」からの出資を予定。ただし、該当企業がない場合もある)
● 個人投資家(エンジェル)へのPRツールである「桟ネット」(インターネット上でのマッチングサイト)への登録料(20,000円/年)が無料!
● 多業種型総合"展示商談会"「大阪勧業展」の出展料(52,500円)が無料!
● 「今後成長が見込まれるベンチャー企業」として大阪経済記者クラブで公式プレス発表
● 大商のネットワークを使って、大企業との事業提携、ベンチャーキャピタルからの資金調達、大学・研究機関との共同研究、販路開拓などをコーディネート
● 企業コンサルタントなどが定期的に経営アドバイス(年2回程度)

こういうビジネスコンテストへの応募は、選定されて支援を受けるかどうかは別にして、立ち上げようとしているビジネスプランが、どのように評価されるか、起業前にチェックする良い機会になります。支援対象が、創業前の個人でも可となっていますので、会社設立して新しいビジネスを起こそうと考えている方なら、応募してみてはいかがでしょうか。


過疎化が進む町で起業

過疎化が進む山里で、古書店を開店し、過疎化対策の一環にもなっているという話題です。

学生の起業で「活気出てきた」山里歓迎

 過疎化が進む島根県川本町で一橋大学大学院生の尾野寛明さん(25)が、空き店舗を借り受け、インターネットで専門書を売買する古書店を開店してから1年が過ぎた。年商は1000万円超。住民票も移し、事業拡大を模索中で、地元は「山里に活気が出てきた」と歓迎している。

 埼玉県出身の尾野さんは、6年前に都内で起業した。専門書に限定したのが当たったが、月15万円もかかる本の保管料が悩みだった。移転を考えていたとき、研究で訪れた川本町で過疎の窮状を見聞きした。

 「古本をネットで買い取り発送するのに、都会にこだわる必要はない」。早速移転し、町で廃業した本屋の屋号をもらい「紙屋古書店」として営業を始めた。

小売業においては、インターネットを活用すれば、場所の制約はなくなりますし、在庫の管理コストを考えると、家賃の高い都心部よりも競争力を持てるというわけですね。

しかも、過疎化した山里の町に活気を与えているというのは社会的にも良い効果を生んでいますね。

ちなみにどんな古書店かと興味を持って調べてみました。

ホームページでは主に買い取り専門のようで、販売経路は、Amazonマーケットプレイスを活用しているようです。取り扱う書籍も専門書に絞るなど、在庫コストや販売コストを抑えたビジネスモデルですね。


小中学生の起業家講座

子供たちが、オリジナル弁当を作る模擬会社を設立して実際に販売するという起業家育成講座の話題です。

会社設立弁当を企画販売

 さいたま市内の小中学生がオリジナル弁当を企画する同市の起業家育成講座が終了した。献立作りから始まり、銀行へのプレゼンテーション、店頭販売など実社会を学べるやりとりが満載。弁当は見事に完売し、子どもたちは初めての給料を手にした。「また売ってみたい」と意欲を見せる子どもの姿に目を細める保護者もいた。

 オリジナル弁当を企画したのは、同市内の小学四年 生から中学二年生までの三十六人。三チームに分かれて「会社」を設立し、それぞれ事業計画を練った。本物の銀行員から融資を受ける手順を学んだり、弁当の値段を決めて業者に発注するなど大人顔負けの体験をした。

こういう企画、面白いですね~。

起業の体験というのは、多くの人は社会に出てから経験するもので、やってみるまでなかなか実感を持てないものです。子供の頃から、こういう経験をしていると、社会に出るときの選択肢として、就職だけではなく、起業というのも選ぶことが出来ます。また、実際に起業するときに、イメージが掴みやすいのではないでしょうか。

参加者の将来が楽しみです。


会社設立の資金を援助してもらえるコンテスト

IT分野のコンサルティング会社が実施するビジネスコンテストで、入賞者に会社設立の資金として300万円援助される、という話題です。

スカイライト、会社設立の資金援助・コンテスト入賞者に

IT(情報技術)分野を中心とした経営コンサルティングのスカイライトコンサルティング(東京・港、羽物俊樹社長)は会社設立時に必要な資金を提供する「シード投資」事業を始める。起業志望者を対象にしたビジネスプランコンテストを実施、入賞者に300万円を提供する。会社設立後も経営指導を続け、株式上場に伴うキャピタルゲインを狙う。

将来有望な起業志望者に投資して、キャピタルゲインで収益を得るというビジネスモデルのようです。起業時の300万円は魅力的ですが、応募には条件があります。

2人以上6人以下のグループで代表者が30歳未満であること。

ITを活用した事業計画を持ち、

1年以内に首都圏で起業する意志があること。

若者によるITを活用した事業であれば、上場を目指すようなビジネスプランであれば、このコンテストへチャレンジするのも面白いですね。

自分の持つビジネスプランを、第三者に客観的に評価してもらうという意味でも、このようなコンテストに応募するのも良いのではないでしょうか。


国民生活金融公庫の「創業者向け無担保・無保証人」の融資実績、過去最高

国民生活金融公庫の融資制度で、創業期の企業に無担保・無保証人で融資する「新創業融資制度」というものがあります。この融資制度の平成19年度上半期の融資実績、過去最高となったようです。

http://www.kokukin.go.jp/pfcj/pdf/topi071017.pdf

これは、平成19年4月より

 ・融資限度額が750万円から1,000万円に、

 ・必要な自己資金が、創業資金全体の1/2から1/3に

なったことが大きいようです。件数が、6,818件、金額で232億円と、前年から1.5倍以上に増えています。

この「新創業融資制度」は、

的確なビジネスプランをもちながら、担保を提供することや保証人をたてることが困難なため、創業時に必要な資金調達に支障を来たしている方の支援を目的として、無担保・無保証人で融資する

という制度で、融資を受けるには、少し条件があります。 

次の1~3のすべての要件に該当する方

1 創業の要件

 新たに事業を始める方、または事業開始後税務申告を2期終えていない方

2 雇用創出、経済活性化、勤務経験または修得技能の要件

 次のいずれかに該当する方
(1)雇用の創出を伴う事業を始める方
(2)技術やサービス等に工夫を加え多様なニーズに対応する事業を始める方
(3)現在お勤めの企業と同じ業種の事業を始める方で、次のいずれかに該当する方
  ○現在の企業に継続して6年以上お勤めの方
  ○現在の企業と同じ業種に通算して6年以上お勤めの方
(4)大学等で修得した技能等と密接に関連した職種に継続して2年以上お勤めの方で、その職種と密接に関連した業種の事業を始める方
(5)既に事業を始めている場合は、事業開始時に(1)~(4)のいずれかに該当した方

3 自己資金の要件

新たに事業を始める方または事業開始後で税務申告を終えていない方は、創業資金の3分の1以上の自己資金を確認できることが必要です。

起業を考えている方はや、会社設立して間もない方は、使いやすい制度ですので、活用しても良いかもしれません。


誰も出社しない会社

オフィスはあるけど誰も来ない。そんなちょっと変わった新しい会社の形で事業を行っている企業の話題です。

オフィスはSkype 「ギリギリ狙う」5人のベンチャー「ロケ☆スタ」

 都内に小さなオフィスを借りたが、「誰も出社しないだろう」と社長は言う。「オフィスがないと、会社を登記できなくて。本当はいらないんですが」

 10月に設立予定の新会社「ロケットスタート」(ロケ☆スタ)は、古川健介社長(26)が率いる総勢5人のIT企業。オフィスは都内に構えたが、1週間に1度も使わない。「Skype」のグループチャットで四六時中“会ってる”から、顔を合わせなくても大丈夫だという。「リアルで話したのかSkypeだったのか、分からなくなることがよくあって」(古川さん)

オフィスが無くても、Skypeでチャットや会話が出来るので、わざわざ顔を合わす必要も無く、社員は好きなところで仕事が出来るというわけです。インターネットサービスの開発を事業とする会社ならではの、新しい会社の形かもしれません。

ただ、このような自由な形で仕事をするのであれば、わざわざ会社を設立しなくても良いようにも思えますが、そこにはちゃんと理由があるようです。

 5人とも、個人でサービスを作ってリリースしてきた経験を持ち、矢野さんと村上さんは2人で「写メちぇけ!」を作るなど、サービスを共同構築したこともある。サービス構築だけなら会社でなくてもできるはず。それでも会社にしたのは「持続できるサービスを作りたい」からだ。

 「面白いサービスを作りたい。でも面白いだけじゃつまらない」(古川さん)――個人運営だと、面白いサービスをリリースしても、メンテナンスできずに閉鎖してしまったり、ビジネス化の可能性があってもなかなか動けなかったりする。企業体にすることでそんな問題を解決し、「持続できる面白サービス」を目指す。

 「会社化して覚悟を決めたい」(古川さん)という思いもあった。「1人でやっていると、ひたすら練り続けてしまって結果につながらないことが多かったが、サービスはスタートさせないと意味がないから」(古川さん)。社名の「ロケットスタート」には「とにかくスタートさせよう」という思いを込めた。1カ月に1人1サービスがルール。5人で年間60のサービスを構築できる計算だ。

会社を設立して覚悟を決める。起業する方は、皆さんプレッシャーがあると思いますが、そのプレッシャーに打ち勝ち、覚悟を決めて、事業を開始するには「会社設立」というのは効果的なのですね。

(とは言っても、彼らにはそんなプレッシャーを感じさせない軽やかさがありますね。)


銀行が助成金

三井住友銀行が大学と連携して助成金を出すという話題です。 

三井住友銀、環境ビジネス産学支援へ…京大などと連携

 三井住友銀行は5日、京都大、関西大など関西の主要6大学と連携し、中小、ベンチャー企業の環境ビジネス育成に乗り出すことを明らかにした。実用性の高い技術やアイデアに対し、大学との連携を条件に三井住友銀行が1件あたり約500万円の研究助成金を支給する。環境保護の観点から、中小企業の育成と関西での産学連携の促進の両方を狙うユニークな試みだ。

 参加するのは、2大学のほか大阪大、関西学院大、立命館大、近畿大の4大学。2007年度は、三井住友銀行が環境省などと共催で実施した環境ビジネスコンテスト「エコジャパンカップ2007」に応募した中小、ベンチャー企業から、コンテストとは別に助成対象を2件程度選ぶ。大学との共同研究で技術のさらなる向上や実用化につながると思われる案件について、大学との共同研究を仲介する。水処理、新エネルギー、廃棄物のリサイクルなどの技術が有力だという。

昨日紹介した記事〔関西の景気拡大、ベンチャー育成がカギ〕にもありましたが、銀行が企業を育てようという動きは、少しずつ始まっているように思います。

ただ、こういった助成金が出るのは、大学と提携しているような本当に一握りのベンチャー企業だけです。 

一般的に、独自のアイデアと強い信念と熱い情熱を持って起業しても、会社設立したての企業に対する、民間の金融機関のサポートは十分で無いの現状です。もっと新しい企業をサポートする制度があれば、良いのですが・・・


関西の景気拡大、ベンチャー育成がカギ

関西の景気は、「言われているほど良くない」、という意見や、「いやそれほど悪くは無い」という意見もあり、業種や職種によって実感に違いがあるように思います。しかし、数値だけ見れば、景気は拡大しているとの事。今後の課題はベンチャーの育成という話題です。

関西の景気拡大、ベンチャー育成がカギ

 「関西経済を支えるのはDNA」。景気の回復傾向が強まった2003年ごろ、よく耳にした言葉だ。Dはデジタル家電、Nはニッチ(すき間)、Aはアジアの頭文字。デジタル家電ブームを消費の面から見ると関西経済への影響は経済規模に比例する程度にとどまるが、域内投資による波及効果は大きい。中国を中心とするアジア向け輸出は、バブル崩壊後、どん底の状態にあった関西の救世主になった。

このD(デジタル家電)、N(ニッチ)、A(アジア)のうちN(ニッチ)を担うベンチャー企業の起業や成長が不足しているようです。

 もっとも、全体を見渡すと中小・ベンチャーに期待ほどの勢いがなく、「ベンチャーキャピタルが育っていない」(下妻博・関西経済連合会会長)。中小企業の業況は総じて回復しているが、大企業に比べて収益の改善は遅れ気味。好況の波に乗れない中小・零細企業の倒産件数は高水準が続く。公共事業の受注減で建設業や卸売・小売業などの倒産が目立つのに、倒産件数を補うだけの新産業が育っているとは言い難い。

一昔前に比べると、会社設立がしやすくなったこともあり、起業は増加傾向なのでしょうが、それでもまだまだ足りないということなのでしょう。関西の起業家や起業家の卵の皆さんがチャレンジすることが、関西を盛り上げるカギになりそうです。


学生起業家討論(リンク)

C-NETであった学生企業家たちの討論会の記事が面白かったので、リンクしておきます。

だから僕らは、経営者の道を選んだ(学生起業家討論:前編)

だから僕らは、経営者の道を選んだ(学生起業家討論:後編)

新卒採用で売り手市場の昨今、起業よりも大手への就職を選ぶような大学生が増え、一時期の学生起業熱は冷めてきているのかな?と思いきや、熱い思いを持った学生はちゃんといるようです。

しっかり事業化を成功し、起業の最初のステップをクリアした4人の起業家の言葉は、若いがゆえに純粋で、新鮮です。起業を考えているなら、ご一読を。


技術で起業するときの教科書

独自の技術を武器に会社を立ち上げようと考えているのなら、是非活用したい情報ツールについての話題です。

広がる特許情報システム(上)一般公開4000万件超

今、企業において非常に有用な情報ツールとして着目され、利用者の裾野が広がりつつあるのが特許情報だ。一歩先を行く経営者、ビジネスマン、そして研究者ならば、知っておきたい情報源だ。

  業界や他社の技術動向調査の観点からもよく利用される。特に、大企業ほど充実した研究開発・調査態勢のない中堅・中小企業では、特許情報は技術情報の宝庫だ。「起業時や新たな事業分野に参入する際、特許情報を教科書に勉強した」(群馬県の燃焼機メーカー社長)という声はよく聞かれる。また、部品や素材、技術そのものを売り物にしているB2B型企業では、開発した製品や技術の用途や、提供先企業を見つけるためのマーケティング情報としても活用されている。

特許は、独自性の高い新たな技術を登録する制度ですから、登録された概要はオープンにされます。特許申請する前に既にその技術が登録されていないか、調べられるようにするためですね。そのオープンになった技術をそのまま使うことは出来なくても、同業他社の技術動向として調査するのに使っても構わないわけです。実際、

「起業時や新たな事業分野に参入する際、特許情報を教科書に勉強した」(群馬県の燃焼機メーカー社長)

という声もあるようですし、独自技術を武器に事業を起こそうとする人にとっては良いツールです。

 無料ツールの筆頭は、特許庁が自ら提供する「特許電子図書館」、通称「IPDL」(Industrial Property Digital Library)だ。1922(大正11)年からの公告公報、71(昭和46)年からの公開公報は基本的にはすべて検索できる。検索の方法は各地で公的機関がセミナーを開いている。民間サービスでは、韓国の企業が提供する「ウルトラパテント」が最近話題になっている。

特許庁の「特許電子図書館(IPDL)」は無料で使えるツールですが、データの量が多い分、必要な情報を取り出すのは、少し難しいのです。そこで、各地の公的機関がセミナーを開いているわけです。せっかくなら、そのセミナーの内容をまとめて、特許庁のホームページに掲載してくれれば良いんですけどね~。

 


大学発VBの経営厳しく、55%が経常赤字

大学発のベンチャー企業の経営が厳しいという話題です。

大学発VBの経営厳しく、55%が経常赤字・06年度日経調査

 大学発ベンチャー企業の経営が厳しさを増している。日本経済新聞社が9日まとめた大学発ベンチャー調査では、回答企業の55%が2006年度の経常損益が赤字で、7%は「3年内に会社を売却する可能性がある」と回答した。政府が2001年に1000社育成計画を打ち出した大学発ベンチャーの数は1500社を超えたが、社員や営業ノウハウの不足から事業を採算に乗せられない姿が浮き彫りになった。(詳細を10日付日経産業新聞に)

 調査は日経リサーチの協力を得て、技術や人材などの面で大学が母体とみられる企業1195社に調査票を郵送した。回答したのは276社(回答率23.1%)。このうち「06年度の経常損益が赤字」と答えたのは151社(54.7%)だった。昨年調査で05年度が経常赤字だったのは45.4%で、単純比較すると赤字割合が約9ポイント上昇した。1社当たりの経常赤字額も拡大傾向にある。 

大学発のベンチャーというのは、研究成果をもとに事業を起こしているはずですから、商品や技術の競争力はあるはずです。しかし、55%が赤字。財務的には厳しいようです。

その主な要因として挙げられているのが、「社員や営業ノウハウの不足」です。つまり、

  1. 人材や人材をマネジメントする仕組みの不足
  2. 顧客開拓やマーケティング力の不足

により、収益モデルを確立できていないということでしょう。1.人材不足は多くの中小企業の共通する課題ですが、2.顧客開拓やマーケティング力が不足していると、やっぱり厳しいでしょうね。

私たちは多くの会社設立を支援していますが、起業前から、既にお客さんがいて、

 「早く、会社作って、来月からでも取引始めてくれ、って言われているんですよ~。」

なんて言われる人は、やっぱり、起業後も成功しているケースが多いですね。

良い商品でも顧客がいて、初めて会社が成り立ちます。当たり前の事ですが、重要なことです。

 


低予算で起業するための王道?

低予算で起業するための方法についての話題です。

低予算で起業するための王道はあるのか?新興企業をブートストラップする方法

アメリカで低予算で起業するための「ブートストラップ」という手法についての記事です。

多くの起業家は、ビジネス上のアイデアを、できるだけ低い予算でプロフェッショナルの機能するビジネスに変えることを狙っている。これは通常「ブートストラップ」と呼ばれており、落とし穴や危険を伴うものだ。上手に行われれば、企業は素早く、プロフェッショナルな形で立ち上げることができ、創立者は財産を失わずに住み、破産も避けられる。

「ブートストラップ」という言葉は、コンピュータが起動する際のプロセスを差す言葉で、略して「ブート」なんて使いますが、アメリカでは、事業を立ち上げる際の効率的な手法についても使うんですね。

ここでのブートストラップというのは、事業立ち上げの際のサービス化や商品化を最低限のコストで実施するために、アウトソーシングできるものは、全てしてしまおうという手法のようです。

ブートストラップとは何か  

ブートストラップは企業にとってどういう意味を持つのだろうか。ブートストラップには、ビジネスを低予算で立ち上げるという意味合いがある。実際には、これは設計と開発をアウトソースし(国外である場合が多いだろう)、サーバは借り上げで、オフィスを持たず、起業家には給料が出ないということを意味している。立ち上げ以前に買う必要のある唯一の高価で専門的なサービスは、法的な助言と会計監査業務だけだ。他のものはすべて、仕事を進めて行くにつれて起業家が自分で選ばなくてはならない。

 なぜブートストラップなのか。企業が市場参入の際にブートストラップの選択を考えるべき理由は2つある。創立者は自分の資産を失わずに済むかもしれないと思えるかもしれない。あるいは創立者が市場に参入するために最低限の資金しか調達しなくて済む。どちらの場合も、ブートストラップは適切なモデルだ。

この記事では、ITサービスの事業についてのモデルが書かれていますが、製造業でも工場を持たない「ファブレス」というビジネスモデルで成功した事例もあります。他の業種でも応用が効くかもしれません。

ただ、以下の事項を読むと、いくら低コストで起業といっても、一定の資金は必要のようです。起業のための資金調達、重要ですね。  

・設計と開発をアウトソースする場合、複雑な開発を行う場合には5万ドルから10万ドル余分に予算を組んでおいた方がいいだろう。不足する場合、自分でシステムを開発する必要がある

・パートタイムでは、プロフェッショナルの開発者を管理することはできない

・どのように自分のアイデアを実装するかについては、よく考えておく必要がある

・成功させるためには、原動力と資金が十分あることについて、100%の自信が持てるようにしなくてはならない

 


地方のベンチャーへの融資

地方のベンチャー企業に、最初は通常よりも低い金利で融資を受けられる“出世払い”制度が始まるというニュースです。

地方ベンチャーに“出世払い” 中小企業庁、成功するまで金利安く(iza)

中小企業がベンチャービジネスに取り組み易くなるように、最初は通常よりも低い金利で融資を受けられる“出世払い”制度が平成20年度から始まる。中小企業庁が4日、新事業が順調で売り上げが増加すれば融資の金利水準を引き上げ、失敗すれば当初と変わらない低い水準にとどめる2段階融資制度の導入を決めた。民間のベンチャーキャピタルが投資しないような中小企業を支援することで、地方の経済活動を下支えし、都市と地方の格差是正にもつなげたい考えだ。

 2段階融資制度を設けるのは、中小企業金融公庫と国民生活金融公庫。創業や新規事業だけでなく、IT(情報通信)化による経営合理化や企業連携による商品開発なども融資の対象にする。

 具体的な金利は個別案件や企業の財務内容によって異なる。融資期間は5年か7年。5年の場合は通常の固定金利での融資だと年5・5%程度だが、この融資制度では、当初2年が4%に抑えられ、新規事業が成功すれば後半3年が9%に上がる。5年間を平均すると通常の固定金利よりも高い5・7%程度になる。

 一方、事業がうまくいかなければ後半3年間の利率は4%台後半と少ししか上がらない。5年平均では通常より、ずっと安い4%強の利率が適用される。新規事業が失敗しても借入負担が軽くなる仕組みだ。

この“出世払い”制度の他にも、新株予約権を活用した融資制度も設けられるということ。

 また、民間金融機関による中小企業への融資を促すための信用保証協会の保証制度にも新たな仕組みを設ける。中小企業は信用保証協会の保証を受ける際、融資額に保証率をかけた保証金を協会に支払う。

 新制度では、中小企業が協会に新株予約権を無償で渡すことで、料率を引き下げてもらうことができるようにする。事業が成功すれば株の価値が上がるため、協会は株を現金化して保証金以上の収入を得られる。

地方の中小企業は、ベンチャーキャピタルからの資金調達が難しいため、政府系の金融機関がその代わりをしようということでしょう。

どちらも特に会社設立間もない企業が融資を受ける選択肢が増えるのは、助かりますね。平成20年から始まるということですから、今、起業をした場合、事業成長のための資金調達の手段として、選択肢の一つにしても良いかもしれません。


ベンチャー起業家には女性のほうが向いている!?

 アメリカで起業家の成果に男女差があるのかを調べた調査結果に関する記事です。

ベンチャー起業家には女性のほうが向いている!? - 米調査

アメリカの中小企業庁施策広報局(SBA)が行った調査によると、ジェンダー(性差)と新たなベンチャー起業家の成果には相関関係があることが示された。

調査によると、起業家の成果に影響を及ぼす典型的な要因については、ベンチャー起業家の成果に性差は影響を与えていないとわかった。しかしその一方、期待やビジネスを始める理由、動機、求めている機会、ビジネスの種類は性別によって異なり、そうした違いが異なった成果を生み出しており、男性は本質的によりよいオーナーとしての資質が備わっておらず、異なるビジネス目標を持っているという。

ちょっとわかりにくい記事ですが、典型的な要因には差は無く、男女のビジネスに対する

・期待

・動機

・求めている機会

・ビジネスの種類

の違いが成果の差になっているということでしょうか。女性がしたいと思うビジネスの方が成功しやすいのかもしれません。

それと、もう一つ気になった点。

男性は本質的によりよいオーナーとしての資質が備わっておらず、

もしこれが本当なら、同条件なら男性より優位?ということになります。ただ、会社設立をサポートしてきた経験では、まだ今は男性の方が起業しようとする方は多いように思いますが、今後はもっと増えてくるでしょう。女性起業家に期待したいです。


起業・創業時の助成金

会社設立の相談を受ける際に、「起業に助成金ってもらえないんですか?」なんて事を質問されることがあります。会社設立前後はお金がどんどん出て行く時期ですから、もらえるものならもらっておきたい、という気持ち、よくわかります。

では、その質問の答えは?というと、

「創業時にもらえる助成金。制度としてはあるんですが、条件が・・・」

と、はっきりしない答えになってしまいます。返さなくても良いお金である助成金。みんな欲しいのですが、残念ながら欲しい人みんながもらえるわけじゃないのです。

助成金には、その制度の目的に沿って、条件があり、それを満たした場合のみ、支給されるのです。

条件は、制度ごとに細かく決まっていますが、基本的に「お金を使わないと支給されない」というのが、大きなのポイントです。、つまり、起業時に資金が十分にあって、設備投資をしたり、人を雇い入れたりといった経費をたくさん使うようなケースでは受給できるケースが多いでしょう。しかし、創業者1人で、自宅で事業を立ち上げて、事業が軌道に乗ったら、事務所を借りよう、といったケースでは、経費を抑えている分、支給されない、又は、支給されても額が少ない、ということになることもあるのです。

助成金は当てにするよりは、もらえたらラッキー、というくらいに考えていた方が良いかもしれません。

ただ、助成金の申請期日後に「申請しておけば助成金もらえたのに」って気付いてしまったら、やっぱり少し悔しいですよね。当事務所では、会社設立手続き時に、条件に合いそうな助成金があれば、ご提案しています。もらえるものはもらっておきましょう。でも、ダメな場合は、無理にもうらえるにはどうしたらいいのか?と考えるより、会社を設立して起業するといった本来の目的の達成に力を注いだほうがよいのではないでしょうか。


起業より就職?

大学生が安定志向になっているという話題です。

消極的、無難、安定志向 今どきの大学生

 学歴を得るために消極的に大学に入学し、進級・卒業するためにまじめにキャンパスライフを過ごし、就職活動は安定志向-。社団法人「日本私立大学連盟」がまとめた学生生活実態調査で、こんな傾向が強まっていることが分かった。希望すれば誰でも入れる「大学全入時代」を象徴しているようだ。

 どんな企業を志望するかでは、「安定している」(47・9%)が2ポイント増加し、トップに躍り出た。「給与が高い」(24・9%)も3・9ポイント増えて3位。安定志向が強いようだ。

 逆に、前回首位だった「自分の能力をいかせる」は38・1%と9・4ポイント減少して2位に転落。もともと少なかった「能力主義が徹底している」は3・5ポイントも減らし、2・9%に落ち込んだ。

これまでは 会社設立して間も無いベンチャー企業にも優秀な学生が就職するといったケースも多かったと思います。しかし、最近の傾向としては、やはり安定した大手企業への志向が強くなってきているのでしょうか。

 和田秀樹・国際医療福祉大教授の話 「就職氷河期が終わり、大手銀行が2000人規模で採用するなど“売り手市場”になっている。大量採用時代になり、企業側はベンチャー精神がある人材より、無難な優等生を求めるようになった。学生気質が変わったというよりは、社会環境の変化に学生が敏感に適応した結果ではないか」

確かに学生は、社会の環境に敏感です。景気が停滞し就職先が無かった時代には、自ら起業したり、ベンチャー企業でチャレンジしたりといった「リスクを取る」ことに価値を見出していたものが、売り手市場になったので、無理に「リスクを取る」必要がなくなったということでしょうか。

この記事を読むと、大学生活はに講義やゼミに出席し、真面目に勉強している傾向は強くなっているそうです。その学んだことを生かしてチャレンジしようという人が少なくなってきているのだとしたら、少し寂しいですね。

 


競争は善

今年、13年ぶりに携帯会社の新規参入を果たした「イー・モバイル」の千本社長の起業に関するインタビューです。

「競争は善」米留学が転機(YOMIURI ONLINE)

イー・アクセスというADSLの通信会社を設立し、日本のネット環境を変革した千本社長ですが、学生時代は「安定志向」だったとか。

その原体験は、小学生のころにさかのぼる。当時、父は家具などのインテリア用品を作る小さな町工場を経営し、千本は真冬の夜も、リヤカーを一緒に押して注文先に製品を届けた。

 注文取りや金策に走る父の後ろ姿を見て、「中小企業だけは嫌だ。絶対につぶれない国家的企業に就職したい」という思いを強めたという。

そして実際に、念願かなって大学を卒業後、日本電電公社(現NTT)に就職後、アメリカに留学し価値観が変わったといいます。

 20代で米国の大学に留学した際、千本は学生寮で、「日本の電話事業を独占する会社で働いている」と自慢げに披露した。だが、寮生は評価するどころか、「それは『悪』だ」と厳しく批判した。

 「向こうでは、リスクを取って起業し、フェアに競争することが『善』。価値観が根底から崩れた」と振り返る。

日本でも競争社会になったと言われて、久しいですが、当時では、日本とアメリカでは価値観のギャップは大きかったんでしょう。

善悪の判断は、それぞれですが、「リスクを取ってフェアに競争する」ことは、起業家にとって大事なことですね。